活動再開のお知らせ

1月のイベントを最後に自粛をしていたCoderDojo陸前高田ですが、7月19日(第三日曜日)から活動を再開します(募集に関しては6月19日を目途に公開します)。
…と言いいながらも、コロナの感染状況、あるいは世論を見ながらということになります。
現状、形態としては、会場で最大4名、オンライン同時開催という形を考えておりますが、公共施設を借りて行うため、場合により利用ができない場合も想定されます。

時間的には、午前と午後それぞれ2時間(計4時間)。
午前中は「わくわくタイム(仮称)」、午後は「もくもくタイム」で、両方参加、どちらか一方のみの参加も可とします。
「わくわくタイム」は、プログラミング(または、科学 、ものづくり関連の)小イベント。
「もくもくタイム」は、もくもくとプログラミングをする時間にしたいと思っています。

--以下、チャンピオン(主催者)佐藤の思いです--
昨年夏から、CoderDojoを続ける意味を考えていました。
今年度、小学校でプログラミング教育が始まりました。
もし、コロナがなければ、今ごろ、この話題がもっと世間を騒がせていたと思います。

しかし、プログラミング教育が何の役に立つのか?ということは漠然としています。
文部科学省が掲げている「プログラミング的思考」というものは、概念的には素晴らしいと思いますが、その能力を認定することはできません。

「そろばん」という東洋の計算機があります。
ほんの数十年前までは就職に役立つ資格でしたが、現在ではそういう資格としては、ほぼ認められないでしょう。
それでも「計算が早い」「数字に強い」「頭のいい人」という印象というか、「保証書」として、履歴書に書く価値がある資格とも言えます。
そういう意味で、(履歴書に書くかは別として)「そろばん」を習う意味は世間に認められていると思います。

それに比べると、プログラミング教育というのは、地に足がついていません。
言ってしまえば、CoderDojoも、有料のプログラミング教室も、学校でのそれも、フィットネスクラブと同じです。
「行けばいいことがある」「でも、効果はその人次第」というものでしかありません。
あるいは、英会話でもいいでしょう。
学校で教わっても、英会話教室に通っても、外国人に習っても、話せない人はいつまでたっても話せません。


「ジュニアプログラミング検定」というものがありますが、これは、そういう疑問を解決してくれるものです。
「Scratch」という、特定のアプリの使い方を覚えること、そして、決められた課題のロジックを組むことで合格できます。
しかし、エンジニアの立場からすると、こんなものは、実際のシステム開発には何の役にも立ちません。

そのことに「全く意味がない」とは言いません。何らかの知識を得ることはできますし、興味のドアを開くきっかけになる可能性は大いにあります。
「Scratch」は、素晴らしいアプリです。
その使い方に習熟するだけでも悪くはありません。大人が使っても…プロのデザインやシステムでなければ、表現したいことを表現してくれる、画像認識や合成音声も使えるプラットフォームに進化しています。

しかし、「もし、検定に合格したから終わり」であるならば、その間、戦略性と創造性のあるRPGなど、仲間と共通の話題にできる、あるいは一緒にプレイできるゲームをやっていた方がマシではないかと思うのです。

生きていくうえで大事なもの。
それは、「想像力」と「創造力」、そして「コミュニケーション力(仲間)」だと思っています。
そして、それらを繋げるのが「論理的思考力」です。
さらに、このコロナ禍の中、STEM教育(”Science(科学), Technology(技術), Engineering(工学), Mathematics(数学)”)の重要性をあらためて感じています。
これらは、”Fact”を見極める上でも必要な知識とスキルであることは間違いありません。

そういう意味で、毎月1回、2時間、もくもくとプログラミングを行っていた、昨年夏までの「CoderDojo陸前高田」は、間違いではないにせよ、理想とは遠かったと思います。

昨年の8月、「夢アリーナ」で、CoderDojoを6日連続で開催しました。
また、9月末には「みちくさハウス」さんで、プログラミング教室を開催させていただきました。
わかったことは、子どもにとって重要なことは、理屈じゃなくて楽しいこと。
だから、そこに学びがあることが大切だということ。

「想像すること」「創造すること」「仲間がいること」。
これは、(辛いこともあるけど)本質的には楽しいこと。
その媒体として、プログラミングを体験できるCoderDojoを目指していきたいと思います。
でも、それって、子どもだけじゃなくて、大人にも重要なこと。
「仲間」というのは、別にワイワイやる必要はなく、「あ、あいつのアイデア面白いな」って、それでいいのです。

そういう場を実現すること。
これは、本当に難しいことだと思います。
一緒に実現してくれる仲間を、助けてくれる仲間を探しています。
年齢も性別も経験も関係ありません。
この思いに賛同してくれるのであれば、それで十分です。
ご一報ください。

参加してくれる子どもたちも、その仲間だと思います。
思いを新たに、活動を再開したいと思います。

よろしくお願いします。